何故2人がと繋ぎで並んでいるのか。幼少期に遡る。
それはまだ1桁の少女で、ビデオテープを器用に操れていた頃。家にお気に入りのビデオが3本あった。1本はロジャーラビット。理由はジェシカをみたいから。あとの2本はチャーリーズ・エンジェルだった。テレビでキャメロン・ディアスが持て囃される中、私の視線はドリュー・バリモアに注がれていた。
その数年後、E.T. に出ていた子役が彼女だという事を知る。
実写20世紀少年のオーディションで、「小泉はいましたねえ」と浦沢直樹が言った言葉がずっと頭から離れない。もう15年前の事らしいのに。
木南晴夏はカンナ役を受けるわけだけど、カンナより先に、カンナじゃなくて小泉響子で、と決まったのだ。すご過ぎる。それでも彼女はこれまでの出演歴からヒロインになれないことに悩んでいて、辞退も考えていたそうだ。
エマ・ワトソンやウィノナ・ライダーにだれもがなりたいのだとしたら、一体だれがドリュー・バリモアになってくれると言うんだろう。その的はきっと小さい。彼女を主人公としていつも見ている人もいる。見る人で変わる人生みたいだ。
チャーリーズエンジェルから彼女の存在を知った私は、想像の通り、そのふくよかで魅力的な雰囲気をセックスシンボルとして見て憧れたけれど、それ以外の部分で、木南晴夏が和製ドリュー・バリモアだと信じてみる事にしよう。あっ、見てみよう。という期待からくるときめき、一作品毎のインパクト、私の主点になる人、という箇所で。
illustration : Erina Horton
《私達は映像と本の虫、マグマ並のラブ》